Abbey Road Live Performance of The Beatles' Music

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1. Ain't She Sweet
(いい娘じゃないか)
THE BEATLES AND TONY SHERIDAN & THE BEAT BROTHERS / BEATLES OLDIES
「ビートルズとトニー・シェリダン & ビート・ブラザース / ビートルズ・オールディーズ」
POCP-2306
1994年02月25日再発
ANTHOLOGY 1
「ザ・ビートルズ・アンソロジー1」
TOCP8701
1995年11月21日発売(日)
ANTHOLOGY 3
「ザ・ビートルズ・アンソロジー3」
TOCP8705
1996年10月28日発売(日)
2. Besame Mucho
(ベサメ・ムーチョ)
ANTHOLOGY 1
「ザ・ビートルズ・アンソロジー1」
THE COMPLETE SILVER BEATLES
「ザ・コンプリート・シルヴァー・ビートルズ」
30CP-55
1982年09月発売(米)
LIVE! AT THE STAR-CLUB IN HAMBURG,GERMANY;1962
「レア・ライブ '62(完全版)」
TECP-28435
1990年09月21日発売
3. Take Good Care Of My Baby
(テイク・グッド・ケア・オブ・マイ・ベイビー)
THE COMPLETE SILVER BEATLES
「ザ・コンプリート・シルヴァー・ビートルズ」
4. If You've Got Troubles
(イフ・ユーヴ・ガット・トラブル)
ANTHOLOGY 2
「ザ・ビートルズ・アンソロジー2」
TOCP8703
1996年03月18日発売(日)
5. How Do You Do It
(ハウ・ドゥ・ユウ・ドゥ・イット)
ANTHOLOGY 1
「ザ・ビートルズ・アンソロジー1」
6. Like Dreamers Do
(ライク・ドリーマーズ・ドゥ)
ANTHOLOGY 1
「ザ・ビートルズ・アンソロジー1」
7. Glad All Over
(グラッド・オール・オーヴァー)
THE BEATLES LIVE AT THE BBC
「ザ・ビートルズ・ライヴ!!アット・ザ・BBC」
TOCP-65748-49
2001年06月08日発売(日)
8. Cry For A Shadow
(クライ・フォー・ア・シャドゥ)
THE BEATLES AND TONY SHERIDAN & THE BEAT BROTHERS / BEATLES OLDIES
「ビートルズとトニー・シェリダン & ビート・ブラザース / ビートルズ・オールディーズ」
ANTHOLOGY 1
「ザ・ビートルズ・アンソロジー1」
9. Spring Is Nearly Here
   < The Shadows >

(春がいっぱい)
OUT OF THE SHADOWS
「アウト・オブ・ザ・シャドウズ」
EMI 95732
2002年09月30日発売(英)
10. Because
   < The Dave Clark Five >

(ビコーズ)
GLAD ALL OVER AGAIN
「グラッド・オール・オバー・アゲイン」
TOCP-7796
1993年発売(日)廃盤
11. I'll Keep You Satisfied
  < Billy J Kramer & The Dakotas >
(アイル・キープ・ユー・サティスファイド)
VERY BEAT OF
「ヴェリー・ベスト・オブ」
EMI 3119742
2005年06月20日発売(欧)
12. World Without Love
  < Peter & Gordon >

(愛なき世界)
ULTIMATE COLLECTION
「ウルティメイト・コレクション」
EMI 35931
2001年11月06日発売(英)
13. Love Portion Number Nine
  < The Searchers >
(恋の特効薬)
MEET THE SEARCHERS
「ミート・ザ・サーチャーズ」
CMRCD155
2001年03月23日再売(英)
14. Ferry Cross The Mersey
   < Gerry & Pacemakers >
(マージー河のフェリーポート)
HOW DO YO LIKE IT / FERRY CROSS THE MERSEY
「ハウ・ドゥ・ユーライク・イット / フェリー・クロス・ザーマージー」
EMI 38847
2002年04月29日発売(欧)
15. One After 909
(ワン・アフター・ナイン・オウ・ナイン)
ANTHOLOGY 1
「ザ・ビートルズ・アンソロジー1」
16. The Hippy Hippy Shake
(ヒッピー・ヒッピー・シェイク)
THE BEATLES LIVE AT THE BBC
「ザ・ビートルズ・ライヴ!!アット・ザ・BBC」
LIVE! AT THE STAR-CLUB IN HAMBURG,GERMANY;1962
「レア・ライブ '62(完全版)」
(encore)
17. My Bonnie
(マイ・ボニー)
THE BEATLES AND TONY SHERIDAN & THE BEAT BROTHERS / BEATLES OLDIES
「ビートルズとトニー・シェリダン & ビート・ブラザース / ビートルズ・オールディーズ」
ANTHOLOGY 1
「ザ・ビートルズ・アンソロジー1」
18. Shout
(シャウト)
ANTHOLOGY 1
「ザ・ビートルズ・アンソロジー1」

今年でオープン10周年を迎えるここアビーロード。
「Liverpool Anthology Event」は、10周年記念の一貫として、今回初めて企画されたイベントだ。
ビートルズ初期のカバー曲をはじめ、ビートルズ以外の「リヴァプール・サウンド・ナンバー」も再現されるということで、どんなナンバーが演奏されるのかとても楽しみだ。

オープニングは、『Ain't She Sweet』と『Besame Mucho』でテンポよく幕開け。

「今日はビートルズのデビュー前のめずらしいナンバーとか、リヴァプールサウンドとか、普段聴けないナンバーを何曲かレパートリーに入れてみました。最初に演ったのが『Ain't She Sweet』。ビートルズがトニー・シェリダンのバックをやっていた時にレコーディングした中の1曲です。」とチャッピーさん。
ビートルズは、1961年6月22日にハンブルグでトニー・シェリダンとセッションし、レコーディングを行った。
「ビートルズが歌ったのはこの1曲だけです。有名になったのは『My Bonnie』ですが、これはビートルズがトニー・シェリダンのバックで演奏しています。でも『Ain't She Sweet』はジョンが歌っています。その次は、『Besame Mucho』。これはラテンの曲で、なんでロックンロールバンドのビートルズがやるんだってところが面白いところですね。ポールがこういうのが好きだったみたいですね。」

3曲目『Take Good Care Of My Baby』を紹介する時に「今日、いいですね、キミの格好。カッコいいね。新入社員みたい。」とバンビーノさんの衣装を誉めるチャッピーさん。
ネクタイにベスト姿で、当時のリヴァプール・サウンド・バンドを彷彿とさせる。ゴードンさんもベストを着用しており、ふたりは自らを『チョッキーズ』と命名していた。

「『Take Good Care Of My Baby』は、デッカのオーディションで歌ったんですね。でも、ビートルズは見事にこのオーディションを落とされました。その後、当時のデッカの重役はみんなクビになったそうです。」とチャッピーさん。
1962年1月1日、ロンドン北部のデッカ・スタジオでビートルズはオーディションを受け、この曲をはじめ15曲を演奏した。元旦にオーディション?と疑問に思うところだが、当時は元旦が公休日なのは、スコットランドだけだった。
「これは、キャロル・キングのナンバーで、他にもすばらしい曲がたくさんあります。ロコモーションとか、ビートルズのナンバーで言えば、チェインズとか。」とバンビーノさん。

4曲目は、リンゴがヴォーカルの『If You're Got Troubles』。
「この曲は、『Help!』のアルバムに入れる予定だったのが、ボツになったという話ですが、誰が作ったんでしょうね?ジョンとポールが作ったんでしょうか?」とゴードンさん。
正しくは、ジョンとポールがアルバム『Help!』のリンゴのヴォーカル曲として用意し、ミキシングまで行ったが、リリースはされなかった。
「一見、カッコいい曲なので、なんで(アルバムに)入れなかったんだろうと思ったんですが、演奏してみて、あぁなるほどと(笑)。みなさんも是非演奏してみてください。」

「次は5曲目。ビートルズがセカンド・シングルで出す予定だった『How Do You Do It』という曲です。ジョージ・マーティンが持ってきて、これをセカンド・シングルにしようと、半分話は決まっていたんですが、ジョンが直前に『Please Please Me』を持ってきて、これはどうだろうって。でも、プロデューサーがこれじゃあだめだよって言ったんですよね?」とゴードンさん。
「そうそう、テンポが遅かったんですね。で、結局テンポアップして、ふき込んだら、まぁこれでいいんじゃないかと。で、この『How Do You Do It』は、ゲリー・アンド・ペースメイカーズにあげるわけですね。で、彼らが歌って、やっぱりイギリスで第一位になるんですね。もし、ビートルズがセカンド・シングルとしてこの曲を出していたら、(ビートルズは)その後消えていったんじゃないかとまで言われた曲です。ゲリー・アンド・ペースメイカーズはもっと大げさに歌っていますね。でも、どっちにしても、かわいらしいいい曲ですね。」とチャッピーさん。

「今度は、ポールのナンバー。これもデッカのオーディションで歌ったナンバーです。なかなか面白いナンバーで、歌い方が。ポール・マッカートニーというと、いろんな歌い方をするんですが、(この曲は)若い10代の男の子が歌う歌い方じゃない。なんか、いやらしい歌い方で。いやらしい歌い方というと、ゴードン野口ですね(笑)。」とチャッピーさん。
「今、ステレオで(左右から)聞こえてきた(笑)。これ、最初は躊躇しましたね。チャッピーが是非やってくれって。」とゴードンさん。
チ「この歌、好きなんですけど、今までやってきたビートルズ・バンドのポールはみんないやがるんです。恥ずかしくて歌えないよって。ゴードンなら歌うだろうと(笑)。」
ゴ「最初は僕も拒否権を行使したんですけど、、、」
チ「最近はすごく気持ちよく、目をつぶって歌っております。目をつぶってよだれをふぁ〜っと出しながら(笑)。」
ゴ「病気、病気(笑)。アミーゴなんてこれ、レパートリーに入れようなんて言ってるんですけど。」
チ「いい曲ですよ。なかなかこのいやらしさは出せませんから。」

『Like Dreamers Do』を熱唱したゴードンさん、「もっとリーゼントとかして歌いたい。なりきってね。こういうレパートリーがないので、嬉しいですね。楽しかったです。」と結構お気に入りの様子。
ここで、「これって、ポールが作った曲?」というバンビーノさんからの疑問に対し、「そうだ」、「いや、違う」とその場で結論は出なかったのだが、正しくは、ポールが初期に作成したナンバーで、ピアノ好きだった父親の影響を強く受けていたことを感じさせるナンバーである。

次は、イベントでも何回もやっている、バンビーノさんのお気に入りのナンバー、『Glad All Over』。
演奏後、チャッピーさんが、「間違ってたらすみません。途中で『チッチキチィ』っていう風に聞こえました(笑)。」と。
それに対してバンビーノさんは、「言うてません。聞き間違いです。絶対に言ってません。でも、この曲は聞こえますね。」と強く否定。

「それじゃあここで珍しい曲を。ビートルズと言うと、誰かが歌ってますよね。でも歌ってない曲もあるんです。インストゥルメンタル。ジョージとジョンのふたりで初期に作ったんです。当時、シャドウズというグループがすごく人気があって。オレたちの方が上手いんだと、シャドウズに涙する、みたいな感じで題名をつけたナンバーがあります。『Cry For A Shadow』。アマチュア・バンドみたいなノリがいいんですよね。若い、ピュアな感じで。」

「次は、そのビートルズのライバルだったシャドウズの曲をやってみようと。聴けば、皆さんあったかい気持ちになれると思います。」とチャッピーさんが『Spring Is Nearly Here』を紹介。
シャドウズは、イギリスのベンチャーズのような位置づけで、この曲は1962年に日本のみで大ヒットし、日本のエレキバンドがこぞって演奏した。

「次は、フーミンのキーボードがなくてはならないナンバー」と『Because』を紹介するチャッピーさん。でも、実際はデイブ・クラーク・ファイブは、ロンドン・トッテナムのグループで、リヴァプール出身ではないそうで、「多分、実家がリヴァプールなんですね」(byゴードンさん)という結論に。
「このグループは5人なんですが、全員男前なんですよね。まるで、パロッツのように(笑)。」とチャッピーさん。

「続いては、12弦のギターを使うわけですが、これは面白いです。ビートルズが作ってビリー・J・クレーマー・アンド・ダコタスにあげたというナンバーがいっぱいあるわけですが、その中でもいいナンバーです。僕も大好きなナンバーです。」と『I'll Keep You Satisfied』を紹介するチャッピーさん。
「ビートルズの未発表音源を聴きたかったら、ビリー・J・クレーマーを聴けって言われますからね。」とバンビーノさん。
演奏後、「いいですね。ビートルズの初期の感じですよね。このグループ、一番ビートルズから曲をもらってるんですよね。一番可愛がられてた。」とゴードンさん
「同じ事務所ですね。これ歌ってるヒトと、僕、会ってます。リヴァプールで、ぽんぽんと肩叩かれて。背の高い甘いマスクの男性が、オレがビリー・J・クレーマーだって!握手してもらって。」とチャッピーさんならではのエピソードをさらっと紹介してくれた。

「次はフミヤ松山が歌います!」と、『World Without Love』を紹介するゴードンさん。「年に1回か2回しか歌いませんので、上手く歌えるかわかりませんが。僕は、この曲でオルガン(の音)を知ったんです。ヴォックスのジャガーというオルガン(vox jaguar organ)でソロを弾いているらしいです。古くさい音が鳴るんですけど。」とフミヤさん。

「(オルガンの)シンプルな、あまり高価じゃない音色がいいですよね。これは、ポールの(当時の)彼女(ジェーン・アッシャー)のお兄さんにあげたナンバーで。ピーター・アッシャー、女優さんでキレイなヒトです。兄貴がバンドやるから手助けして(曲をポールからもらって)大ヒットですね。でも、ポール・マッカートニーという名前を使ったから大ヒットしたんじゃないかと言われたんで、ポールは頭にきて、今度は自分の名前を隠して『Woman』という曲を作ってあげたら、それがまた大ヒットしたんですね。ポールはホントに天才ですよね。」とチャッピーさん。

「次はアミちゃん、『Love Portion Number Nine』、『恋の特効薬』。」とチャッピーさんが紹介。
ゴ「辞書で調べると媚薬っていう意味。いやらしいですね。さっき言われたから言い返したい(笑)。」
チ「これは、サーチャーズが誰かからもらった、アメリカの曲じゃないかと思います。」
1965年のサーチャーズのヒット・ナンバーで、オリジナルは1959年のワシントン出身のバンド、クローヴォーズ。

「演歌チックで、エンディングが。日本人にも受け入れられやすいですね。」とゴードンさん。
「サーチャーズは、80年代はサーフ・ロック・グループになってやってました。現在も活動を続けていて、息の長いバンドですね。リヴァプールサウンドというと、日本のGS(グループ・サウンズ)に近いサウンドがありますよね。音階というか、歌いまわしというか、何となく日本人に受けそうな。では次は演歌の真髄。サブちゃんが歌うような。リヴァプールへ行くと、マージー河の対岸の居住区への渡し船があるんですが、日本だとまた違う曲、『矢切の渡し』とかができるんですが。(マージー河を)フェリーで渡るんですが、フェリーに乗ると必ずこの曲がかかるんですね。マージー河のフェリーポート。1965年に、ゲリー・アンド・ペースメーカーズが歌ったナンバーです。」とチャッピーさんが次の曲を紹介。

「なんか、サブちゃんの感じがしましたね。リヴァプールサウンド聞いてる気がしなかった。メロディーラインが日本風ですね。」とゴードンさん。
「はぁ〜って、もう、すんでのところでサブちゃんが出てくるところだった(笑)。これでリヴァプールサウンドは終わりになります。もっと広げればいろんなものがないこともないんですが、(Rolling)Stonesとか、ハードロックとか、ハードロックとサブちゃんの融合とか(笑)。また、そういうご希望がありましたら、次回何か考えてみたいなと思います。」とチャッピーさんは次の企画の案があることを明かしてくれた。

ラストは、ジョンが1957年のクオリーメン時代からライブ演奏していた『One After 909』と、ポールが1959年から演奏していた得意のナンバー、『The Hippy Hippy Shake』のロックンロール2連発。

アンコールに応えて、ビートルズがトニー・シェリダンのバックで演奏した『My Bonnie』を、今日はチャッピーさんがヴォーカルをとる。サビ部分のヴォーカルとリードギターの掛け合いで店内の熱気は最高潮に。
「もっと聴きたいかー!?」のチャッピーさんのシャウトに続けて、本日最後のナンバー『Shout』。4人順番にリードヴォーカルをとるこのナンバーは、掛け合いも楽しく、いつのまにか店内大合唱となっていた。

ビートルズがデビュー前に演奏していたナンバーや、リヴァプール・サウンドは、普段自然に耳に入ってくるという機会はそんなに多くはないだろう。今日、こうしてその機会を、しかもパロッツのナマ演奏で堪能することができて、改めてすてきな曲がたくさんあることを実感した。パロッツのみんなが言っていたように、日本人の琴線に触れるメロディ・ラインが至るところにちりばめられていて、初めて聴いたのに、懐かしくて胸がいっぱいになる不思議な感覚を味わった。

***** Photos & Report by mk