Abbey Road Live Performance of The Beatles' Music

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1. Wah-Wah
(ワー・ワー)
ALL THINGS MUST PASS
「オール・シングス・マスト・パス」
TOCP-65540
1970年11月30日発売(英)
THE CONCERT FOR BANGLA DESH
「バングラデシュ・コンサート」
MHCP-896-7
2005年11月02日
2. Got My Mind Set On You
(セット・オン・ユー)
CLOUD NINE
「クラウド・ナイン」
WPCP-3991
1987年11月発売(英)
BEST OF DARK HORSE 1976-1989
「ダーク・ホース1976-1989」
22P2-3071
1989年10月発売(英)
LIVE IN JAPAN
「ライヴ・イン・ジャパン」
WPCP-4901-2
1992年07月発売(英)
3. Love Comes To Everyone
(愛はすべての人に)
GEORGE HARRISON
「慈愛の輝き」
WPCP-4382
1979年02月発売(英)
BEST OF DARK HORSE 1976-1989
「ダーク・ホース1976-1989」
4. Give Me Love (Give Me Peace On Earth)
(ギヴ・ミー・ラヴ)
LIVING IN THE MATERIAL WORLD
「リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」
TOCP-65542
1973年06月22日発売(英)
THE BEST OF GEORGE HARRISON
「ザ・ベスト・オブ・ジョージ・ハリスン」
TOCP-6955
1976年11月20日発売(英)
LIVE IN JAPAN
「ライヴ・イン・ジャパン」
5. All Things Must Pass
(オール・シングス・マスト・パス)
ALL THINGS MUST PASS
「オール・シングス・マスト・パス」
6. Faster
(ファースター)
GEORGE HARRISON
「慈愛の輝き」
7. If Not For You
(イフ・ノット・フォー・ユー)
ALL THINGS MUST PASS
「オール・シングス・マスト・パス」
8. Sue Me , Sue You Blues
(スー・ミー・スー・ユー・ブルース)
LIVING IN THE MATERIAL WORLD
「リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」
9. Rising Sun
(悠久の輝き)
BRAINWASHED
「ブレインウォッシュド」
TOCP-67074
2002年11月18日発売
10. My Sweet Lord
(マイ・スウィート・ロード)
ALL THINGS MUST PASS
「オール・シングス・マスト・パス」
THE CONCERT FOR BANGLA DESH
「バングラデシュ・コンサート」
THE BEST OF GEORGE HARRISON
「ザ・ベスト・オブ・ジョージ・ハリスン」
LIVE IN JAPAN
「ライヴ・イン・ジャパン」
11. Dark Sweet Lady
(ダーク・スウィート・レディ)
GEORGE HARRISON
「慈愛の輝き」
12. Between The Devil And The Deep Blue Sea
(絶対絶命)
BRAINWASHED
「ブレインウォッシュド」
13. Any Road
(エニイ・ロード)
BRAINWASHED
「ブレインウォッシュド」
14. Beware Of Darkness
(ビウェア・オブ・ダークネス)
ALL THINGS MUST PASS
「オール・シングス・マスト・パス」
THE CONCERT FOR BANGLA DESH
「バングラデシュ・コンサート」
THE BEST OF GEORGE HARRISON
「ザ・ベスト・オブ・ジョージ・ハリスン」
15. Awaiting On You All
(アウェイティング・オン・ユー・オール)
ALL THINGS MUST PASS
「オール・シングス・マスト・パス」
THE CONCERT FOR BANGLA DESH
「バングラデシュ・コンサート」
16. What Is Life
(ホワット・イズ・ライフ(美しき人生))
ALL THINGS MUST PASS
「オール・シングス・マスト・パス」
THE BEST OF GEORGE HARRISON
「ザ・ベスト・オブ・ジョージ・ハリスン」
LIVE IN JAPAN
「ライヴ・イン・ジャパン」
(encore)
17. I Want To Tell You
(アイ・ウォント・トゥ・テル・ユー)
REVOLVER
「リボルバー」
TOCP-51117
1966年08月05日発売(英)
LIVE IN JAPAN
「ライヴ・イン・ジャパン」

 ファイアーグロウズの5人と、ゲストのバンビーノさん(パロッツのジョージ役)がステージにあがった。今回は、チャーリーさん(ファイアーグロウズのジョージ役)とバンビーノさんのふたりのジョージが同じステージに立つという、なかなか見ることが出来ない編成である。ステージにはギターがズラリと並べられ、ふたりのジョージに期待が膨らむ!

 いよいよ、始まるぞ!とステージに視線が集まったその時、ギターリフが鳴り響いた。それは、ジョージのソロ曲「Wah - Wah」。ギターに続いてドラム、ベースも加わり、イントロで助走しているかのように、じわじわと勢いをつけていく。そして、チャーリーさんのヴォーカルで一気に弾け、賑やかな演奏に心が躍った。バンビーノさんは、やや恥ずかしそうに、にこやかな表情で随所に伸びのあるスライド・ギター(円筒状のスライドバーを使って、弦を押さえて弾く奏法)を聴かせてくれた。

 「Wah-Wah」が終わったところで、チャーリーさんからご挨拶。「はい、どうもありがとうございます!今日はファイアーグロウズと、そして、ゲストにパロッツからバンちゃんを迎えておおくりしますので、よろしくお願いします!」とバンビーノさんを紹介。バンビーノさんと不思議な間を生み出しながら、一緒に演るのは久しぶり(5年ぶり)で、ぼくらも楽しみなのですが、みなさんも楽しんでくださいね!」などと話してから次の曲へ。

 次もチャーリーさんのヴォーカルで、ヒット曲「Got My Mind Set On You」が演奏された。こうして、ふたりのジョージ役、ギタリストを見ていると、勝手にジョージとエリック・クラプトンの姿を重ねてしまい、胸が熱くなる。
 そんなふたりの姿に見とれていると、次の曲のイントロを聞いてさらに気持ちが高まった!その曲は「
Love Comes To Everyone」。アルバム「GEORGE HARRISON」に収録されてているこの曲は、クラプトンがイントロを弾いているほか、クラプトン自身のアルバムにも収録(カヴァー)されている。ジョージとクラプトンの深い友情と、チャーリーさんの歌声が心に沁みた。

 「Love Comes To Everyone」の後は、MCに続いてバンビーノさんが歌ってくれた。

 アコースティック・ギターを弾きながら「Give Me Love」を歌うバンビーノさん。ジョージの雰囲気たっぷりに、ひとこと、ひとことを大切に歌っていく姿が印象に残る。

 「Give Me Love」が終わり、たくさんの拍手の後に少しの間が・・・「あっ!」と、突然思い出したかのように、足達さん(ファイアーグロウズのリンゴ役)が話し始めた。普通に話しているのに、何故かみんな微笑んでしまう。そんな癒しの足達トークで、ほんわかとしたところで次の曲へ。

 ゆったりとしたドラムのリズムに乗せて、ギターやベース、シンセサイザーが流れるように響いて「All Things Must Pass」が演奏された。ゆったり流れる大きな河のように歌っていくバンビーノさん。その歌声に乗せてジョージのメッセージが静かに漂う。
 そんな奥深い「All Thigs Must Pass」の後には、少しスピードを上げて「Faster」が演奏された。

 「Faster」を熱唱したバンビーノさんがここでMC。「ありがとうございます。この「Faster」はF1の歌でですね、ボクが個人的に好きな曲で選んだんですけどもね、歌詞がいいんですよね〜」と話した。「どんな歌詞なんですか?」とのチャーリーさんからの問いに、バンビーノさんは「あのぉ〜。。。彼は誰よりも速い、、、、、あの〜、彼は、、、あの〜、誰よりも速い。でも、、、それは、努力しました。そういう曲です。。。」と、やや困惑しながらも懸命に説明。そして、「さて、次は全員がアコースティック・ギターに持ちかえまして、これもボクがリクエストした曲なんですけれども、「If Not For You」。その曲と2曲続けてまたボクが歌います。」などと次の曲を紹介した。

 しっとりとしたギターの音色で「If Not For You」が演奏された。チャーリーさん、バンビーノさん、大ちゃん(ファイアーグロウズのジョン役)とギターチームの3人全員がアコースティック・ギターを弾く。その優しい響きが心地良く、実に癒された。
 続く「Sue Me, Sue You Blues」では、雰囲気がガラッと変わり、黒岩さんが弾くピアノと、チャーリーさんとバンビーノさんが一緒に弾くスライド・ギターがドラマチックでカッコ良かった。


 「Sue Me, Sue You Blues」が終わると、大ちゃんがMCをした。「今回は急遽、バンちゃんに手伝ってもらうことになりまして、ありがたいことに、このイベントが出来たんですけれども、チャーリーとバンちゃんとのキャラが合ってますよね。」と言い、例えに、「ポールイベントでゴードン野口とマサキが一緒に演ると。。。」とか、「ジョンのイベントで私と(チャッピー)吉井さんが一緒のステージに上がっても、、、、」と話しながら、「このジョージのイベントでバンちゃんと一緒に出来て良かった」と強調する大ちゃん。客席もパロッツとファイアーグロウズの個性豊かなメンバーを思い浮かべながら、想像を膨らませて笑いが込み上げる。

 そんな楽しいおしゃべりのあとは、チャーリーさんのヴォーカルで「Rising Sun」と「My Sweet Lord」が演奏された。チャーリーさんの歌声とジョージの心情を窺わせる歌詞、そして美しいコーラスやバンビーノさんが弾くスライド・ギターがビシビシと心に響いた。

 「My Sweet Lord」を歌い終えたチャーリーさんは、「ライブ・イン・ジャパン」で演奏された「My Sweet Lord」について話した後、メンバー紹介を始めた。「ファイアーグロウズのリーダー、山口大志、ベースはマサキくん、そして(キーボード)黒岩君です。(自分に言い聞かせるように小声で)堅いなぁ、、黒ちゃんね。そして、ドラムス、あだっちゃんです。そして、スペシャルゲスト、バンビーノ松山!バンちゃん!・・・バンビーノとチャーリーって何処の人かと思っちゃいますよねぇ。。。」などと話している間、バンビーノさんは椅子に座り、ガット・ギターを黙々と準備していた。
 「そのガット・ギターは、ほんとにイイ音しますよね〜、美しいですよね」とチャーリーさんが言うと、バンビーノさんが「これボクのじゃないんです。。。チャッピー吉井のなんです」と恐縮しながら告白。
 次は、そのガット・ギターを使ったナンバーで初めて演奏する曲だと言う。「うわぁ、緊張しますけど、、、」とチャーリーさんがひとこと言い残して演奏が始まった。

 ハッとするほど美しいガット・ギターの音色で奏でられた曲は「Dark Sweet Lady」だった。高音のメロディーを優しく歌うチャーリーさんと、巧みにギター・ソロを弾くバンビーノさんの手もとに釘付けになる。うっとりと、まるでハワイの海辺で聴いているような気分になった。

 「Dark Sweet Lady」の演奏が終わると、ひときわ大きな拍手と歓声で沸く客席。この曲をもう一度聴きたいということなのか、ここで「アンコール」の声もかかった。そんな中、またもやギターを替えるふたり。次はどんなナンバーを聴かせてくれるのか!

 今度は、バンビーノさんがウクレレを弾き始め「Between The Devil And The Deep Blue Sea」を歌ってくれた。始めはウクレレとヴォーカルのみのため、ファイアーグロウズのメンバーと観客は手拍子をしながら、バンビーノさんを応援。そして、この曲では大ちゃんがリード・ギターを聴かせてくれた。
 続いてもバンビーノさんのヴォーカルで「Any Road」が演奏された。軽快なリズムに乗せて楽しそうに歌うバンビーノさん。聴いていてウキウキしてくる。

 MCの後、今度はチャーリーさんのヴォーカルで「Beware Of Darkness」が演奏された。前のウクレレが効いた楽しいナンバーとは対照的な哀愁のある曲で、これがまた渋くてカッコ良くシビレた。

 「Beware Of Darkness」が終わると、また明るいサウンドに戻り「Awaiting On You All」が演奏された。チャーリーさんとバンビーノさんがスライド・ギターを息を合わせて弾き、魔法をかけるように、きらびやかな音を振りまいていく。足達さんのドラムとマサキさん(ファイアーグロウズのポール役)のベースがリズミカルに跳ね、そのリズムに乗って、バンビーノさんが力強く歌う。

 「Awaiting On You All」が終わると、次の曲が最後であることを告げ、締め挨拶をするチャーリーさん。最後に演奏されたのは「What It Life」だった。熱唱するチャーリーさんの歌声と迫力あるサウンドが炸裂!そんな「What Is Life」が終わると、客席からは、アンコールを求める拍手が続いた。

 その声に応えてバンビーノさんが「サンキュー!」と叫び、ビートルズ時代のナンバー「I Want To Tell You」が演奏された。チャーリーさんとバンビーノさんが入れ替わりながらヴォーカルをとり、ジョージの日本公演「ライブ・イン・ジャパン」のようにそれぞれがギター・ソロを弾き、客席も大いに盛り上がる。
 演奏が終わると、さらにアンコールの声は続いたが、このナンバーで特集ステージが終わった。

 ビートルズ時代、ジョンとポールという大きな存在に埋もれがちなジョージだが、このふたり(チャーリーさんとバンビーノさん)を見ていると、決してそうではないと感じる。あの繊細な歌声と、見事なギター・テクニックが大きな役割を果たしているのだ。
 そんな難しい役割をこのふたりは見事にやってのける。見た目は全く違うのに、歌い出すと実にジョージなのだから不思議だ。(それはおふたりの才能とジョージ研究の成果なのでしょうけど。)
 そんなジョージの魅力と、ダブルジョージならではの演奏をたっぷりと堪能できた特集ステージだった。

 そして、この特集ステージの後のファイアーグロウズによる通常のステージでは、バンビーノさんがファイアーグロウズの衣装を着て飛び入りするなど、嬉しいサプライズが続いた。

***** Photos & Report by s.s